小さなことを特別にしていく日々部屋の掃除を済ませてうとうとしていると、妻と息子が療育センターから帰ってきた。妻はかなり疲れている様子だ。私は妻を休ませるために、息子と二人で出かけることにした。しかし、うまく意思疎通ができない。私は着替えも済ませてその気になっているのだが、息子はタブレットのゲームで遊んでいるばかり。着替えを嫌がってズボンを履かない。ズボンを持ったまま追いかけっこが始まってしまった。read more
ボードゲーム大会を企画したボードゲーム大会を企画した。六人の仲間で集まり、一日中ボードゲームで遊ぶというものだ。その日は冬の最後の寒さが残っていて、マフラーや帽子で身を固めてから家を出た。久しぶりの電車は知らない路線で繋がっていて、私は初めての道を歩いた。駅の広場で仲間の一人と合流し、買い出しに出かけた。近くのスーパーで、飲み物と軽いお菓子、それから昼食を買い込む。続けて百円ショップを回り、コップや紙皿などの食器類も揃え …read more
二人でたくさんの時間を公園で過ごした薄雲が太陽を隠す、肌寒い一日だった。あまり気乗りしなかったけれど、息子の退屈を紛らわせるアイデアがなかったので、服を着替えて散歩に出かけた。 まずは一番近い公園を歩く。椿の木の下に花が落ちて、そこだけ鮮やかな円を作っていた。踏んでみたいと思う。遠くに見える微かな赤い粒は、梅の蕾だろうか。そんなふうに考えているうちに、息子はずんずん歩いていくので、視線をすぐに戻した。彼にとって、遊具がない公園は通り …read more